蘗木(バクボク)(黄柏;オウバク)
【釈名】時珍曰く、蘗木という名称の意義は詳しく分からない。本経には、蘗木及び根のことを言って、蘗皮のことを言っていない。これは古代には木と皮とを通用していたものではないか。俗に黄柏と省略して書くのは誤っている。

【集解】別録に曰く、蘗木は漢中の山谷、及び永昌に生じる。
弘景曰く、郡陵産のものは軽薄で色深く、勝れている。
禹錫曰く、もとは房、商、合などの州の山谷中からのもので、皮は緊って厚さ二三分、鮮やかな黄色のものが上品である。

【気味】苦し、寒にして毒なし

【主治】五臓、腸、胃中の結熱、黄疸、腸痔。洩痢を止める。

国訳本草綱目,春陽堂書店,東京,1973,第九冊,木部,p251-263